第51回歴史講座 日時:2018年9月7日(日)13:30~15:30 題目:西郷隆盛① 「敬天愛人」のこころ
場所:北区区役所多目的室 講師:平川敏彦
参加者:28 名
幕末維新の始まり
1、黒船来航から
2、アメリカ ビットルの来航から
等の説がある。
本日の卓話
本年NHK大河ドラマ「西郷どん」が始まってから各所で展示会があり売店にて販売されているグッズには「敬天愛人」の言葉が入っている。
1月から5回(5か所)の講座を拝聴したがどなたもこの「敬天愛人」のこころを話す講師はいなかった。西郷隆盛の頑強なる心身はこの心に支えられ邁進していく。本日は「敬天愛人」の心をメインで卓話したい。
10.5mの銅像 沖永良部島での入牢生活 敬天愛人の看板
海岸に作られた草ぶきの牢。 四方を格子で囲まれただけの2坪の独房。 食事は塩と麦飯。風呂も許されずあか
だらけの体。 目の前に日が昇り沈んでいく 風雨が容赦なく吹き付ける。そこには自ら苦痛を引き受けようとする西郷の姿があった。過酷な牢の中で見出したものは「生きること」に他ならなかった。あまりに毅然とした姿に打たれた役人が屋敷牢を造り風呂へ入れ書物を与えた。西郷はむさぼる様に読み漁った。その数1300冊。
西郷が苦境と書物から見出したものそれは「天」であった。その心境を4文字で表した。それこそ「敬天愛人」であった。
「敬天愛人」とは
「天を敬い人を愛し天を識(し)り、己を盡(つく)し、人を咎(とが)めず我が誠の足らざるを尋(たず)ぬべし」
即ち天とは宇宙を含め天地自然の道であり人の道でもある。
故に天地自然を敬うは天意である。
天は人を怨(うら)まず咎(とが)めず 天は人も我も同一に愛したもう故
我を愛する心をもって人を愛するなり。
運命も欲望も天に任せ自我を捨て去ることで己の道を切り開くことに他ならない。(無私の心)
西郷の頑強な心身はこの考えに支えられ邁進していくことになる